職人向け/2026.09.03/職人ナビ編集部
腕があれば独立はできます。ただ、後から慌てるのは決まって同じところです。先に決めておくと楽になる六つを、順番に書きます。
一、開業届を出す
税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を出します。無料で、書くのは氏名・住所・屋号・事業の内容くらいです。開業から1か月以内が原則ですが、遅れても受け付けてもらえます。同時に青色申告承認申請書も出しておくと、確定申告で最大65万円の控除が使えます。こちらは開業から2か月以内という期限があるので、忘れずに一緒に出してください。
二、屋号を決める
「山川設備」「やまかわ工業」のような事業の名前です。本名だけでも仕事はできますが、屋号があると請求書や名刺の見え方が変わり、屋号入りの銀行口座も作れます。同じ地域に似た名前がないか、インターネットで一度調べておくと安心です。看板や車に入れるなら、遠くから読める字数(4〜6字)にしておくと目に留まります。
三、事業用の口座を分ける
生活費と工事の代金が同じ口座にあると、確定申告のときに一件ずつ仕分ける羽目になります。屋号入りの口座を一つ作り、材料の仕入れも工事代金の入金もそこに集める。これだけで申告が半日で終わるようになります。事業用のクレジットカードも一枚あると、ガソリン代や材料代の記録が自動で残ります。
四、一人親方労災保険に入る
従業員のための労災保険に、一人親方が特別に加入できる制度です。現場でけがをしたときの治療費と休業の補償が出ます。会社勤めのときは会社が入っていましたが、独立すると自分で入らないと何もありません。元請けの現場に入るときは加入証明を求められることがほとんどなので、実質的には必須です。一人親方の団体(労働保険事務組合)を通して入り、費用は補償の額によって月2,000円前後からが目安です。
五、賠償責任保険に入る
労災は自分のけが、賠償責任保険はお客様の物を壊したときの備えです。水を止め忘れて階下を濡らした、床を傷つけた、といったときに使います。年に数万円で数千万円の補償が付くものが多く、職人の団体や共済でまとめて入れることもあります。工事の前にお客様から「保険に入っていますか」と聞かれる場面は増えているので、答えられるようにしておくと仕事も取りやすくなります。
六、資格を確かめる
これからやる仕事に法律で資格が要るかを確かめてください。電気工事士、液化石油ガス設備士、給水装置工事主任技術者、解体工事業登録などです。会社にいたときは会社の資格で工事をしていた、という場合、独立すると自分で持っていないとできません。資格が必要な工事の一覧に、職種ごとに何が要るかをまとめています。
そのあとにやること
- 名刺と見積書の用意。屋号・電話・対応エリア・職種の四つが入っていれば十分です。
- 仕事の入口を作る。Googleビジネスプロフィール(無料)と、名簿への掲載。仕事を増やす五つのことにまとめています。
- 建設業許可は、まだ要りません。1件500万円未満の工事なら許可なしで請け負えます(解体工事は別に登録が必要)。大きな工事を受けるようになってからで間に合います。