職人向け/2026.09.03/職人ナビ編集部
申告が苦手な職人は多いです。ただ、やることは「入ったお金と出たお金を記録して、差し引きを申告する」だけです。難しくしているのは、記録を後回しにすることです。
経費にできるもの
仕事のために使ったお金です。よくあるものを挙げます。
- 材料・部品代、消耗品(ビス、テープ、刃、手袋)
- 道具の代金。10万円未満はその年の経費に、10万円以上は数年に分けて経費にします(減価償却)。青色申告なら30万円未満まで一括で経費にできます
- 車の費用。ガソリン、車検、保険、駐車場。私用にも使うなら、仕事で使った割合の分だけ(例:8割)
- 作業着、安全靴、ヘルメット
- 電話代・インターネット代。私用と分ける場合は割合で
- 保険料。一人親方労災、賠償責任保険
- 研修・資格の受験料、書籍
- お客様との打ち合わせの飲食代(記録を残す)
経費にできないもの
- 自分と家族の食事代、健康診断、スーツ
- 国民健康保険料・国民年金(経費ではなく「社会保険料控除」として別枠で引きます。忘れると損です)
- 所得税・住民税
青色申告にする
事前に申請を出しておくと、複式簿記で記帳することを条件に最大65万円の控除が受けられます(e-Taxで申告した場合。紙なら55万円、簡易な記帳なら10万円)。所得が300万円なら、税金が数万円から十数万円変わります。会計ソフトを使えば複式簿記の知識は要らず、レシートを入力するだけで形が整います。
記帳を楽にする三つ
- 事業用の口座とカードに集める。会計ソフトが自動で取り込みます。
- レシートはその場で写真。財布に溜めない。月末にまとめてやると必ず抜けます。
- 現場ごとに入金と支出を並べる。どの現場が儲かったかが分かり、次の見積りの精度が上がります。
インボイス(適格請求書)をどう考えるか
元請けの会社に請求を出す立場なら、登録するかどうかで扱いが変わることがあります。登録しないと元請け側が消費税の控除を受けられないため、取引を見直される場合があるからです。一方、お客様(一般の個人)から直接受ける仕事だけなら、インボイスは関係ありません。個人のお客様は消費税の控除をしないためです。
年間の売上が1,000万円以下なら、もともと消費税を納める義務はありません。登録すると納める側になります。どちらが得かは、下請けの割合と売上で変わるので、税務署の無料相談か税理士に一度聞くのが確実です。
申告の時期
毎年2月16日から3月15日まで(年によって前後します)。税務署の無料相談は3月に混むので、2月のうちに行くと待ち時間が短く済みます。
日々の見積書・請求書を紙で残しておくと、申告のときの売上の確認が楽になります。職人ナビでは見積書・請求書の道具を無料で配っています。